男性ホルモンの過剰分泌を抑制する大豆イソフラボン
イソフラボンとは、植物性ポリフェノールの一種でマメ科の植物に多く含まれます。大豆に含まれるものを、特に大豆イソフラボンと呼び、強力な抗ヒスタミン作用や抗酸化作用があることが認められ、ガンや動脈硬化といった生活習慣病や老化の原因とされる活性酸素が発生するのを抑制する効果や、アレルギーの原因であるヒスタミンを抑制する作用があると言われています。
また、大豆イソフラボンは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンとよく似た働きを持ち、男性ホルモンが過剰に分泌されるのを抑制する作用があることもわかっています。男性型脱毛症は、男性ホルモンのテストステロンが、ジヒドロテストステロンという悪玉男性ホルモンに変化することが原因の一つですから、大豆イソフラボンによってテストステロンの過剰分泌を抑制すれば、育毛効果を期待することもできるというわけです。それだけではなく、女性ホルモンと似た作用があるため、髪の毛をツヤと張りのあるみずみずしい状態にすることにも役立ちます。
大豆製品を積極的に摂取すれば1日の必要量は十分まかなえる
大豆イソフラボンを摂取するには、その名の通り大豆製品を食べることが一番ですが、大豆そのものにはイソフラボン以外にも、タンパク質やミネラルが豊富に含まれており、健康維持には欠かせない食品です。
また、大豆には、毛細血管を強化するビオチンや、神経細胞を活性化させるカルシウムなどのミネラルも豊富に含まれており、育毛のためにも積極的に摂取しておきたい食品です。豆腐、納豆、きな粉、豆乳、油揚げ、味噌、醤油など、大豆製品は我々の食卓に欠かせませんが、大豆イソフラボンを特に多く含む食品としては、納豆と豆腐が挙げられます。納豆なら1パックで、豆腐なら半丁で1日の必要量が十分にまかなえるので、少し気を付ければしっかり摂取することができるでしょう。
サプリメントによる過剰摂取に注意
食品から摂取する分には問題ありませんが、サプリメントで摂取する場合、過剰摂取に注意が必要です。大豆イソフラボンの過剰摂取により、健康への悪影響も懸念されています。
内閣府食品安全委員会の基準では、大豆イソフラボンの1日の摂取量の上限は75mgとなっています。多い人なら食品からだけで1日に40~45mgほど摂取できているので、サプリメントを利用する場合は、1日に30mgまでにとどめた方がよいでしょう。